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第17回-2 超音波式指紋認証
スマートフォンの指紋認証方法には、第17回 指紋認証とフィルムで説明しているように3つのタイプがあります。
そのうちの超音波式指紋認証について説明致します。
2021年1月に米国Qualcomm社により発表された第2世代超音波式画面内指紋認証センサーの認証範囲は、第1世代の4×9mmと比べ77%範囲が拡大しました。それにより、一度に読み取れるデータ量は1.7倍になり、解除速度に関しては、前世代比で50%向上しています。
超音波式センサーの場合、指が認証エリアに乗せられたことを認識したタイミングで人には聞こえない超音波を、乗せられた指に向けて送ります。超音波が指にぶつかることで反射して返ってきた情報をもとに3Dのデータを作成します。これによって、指紋の凹凸の深さや毛穴の位置など細かく作成できるため、高い認証精度を実現しています。
身近なところで経験できる超音波を利用したものに、病院のエコーがあります。
切ることなく、身体の中を見ることができるシステムで、多くの場合、観察する部位にジェルを塗布し、プローブと呼ばれる超音波探触子をあて検査します。
スマホの指紋認証も同じように、認証エリアに乗せられた指にむけて超音波を発生し、指にぶつかった超音波が反射して戻ってくる情報を読み取り、3Dの情報として認証するシステムになっています。
このようなシステムですので、発せられた超音波が対象にぶつかり戻ってくる、という過程がスムーズに行われることが非常に重要になります。
この過程にトラブルが起きると、「指紋認証ができない」という現象が結果として起こることになります。
では、この起こりうるトラブルの原因にはどのようなことが考えられるでしょうか?
それには、超音波の性質を知っておくことが重要になります。
超音波とは、人間が聞こえる音、つまり可聴音(通常20HZ~20000HZの範囲)を超えた高い振動数の弾性振動波(音波)を指します。
音波は伝わっていく途中で徐々に減衰しますが、途中に材料特性が急に変わる境界があると一部が反射して逆方向に伝わります。音波は物質が連続している部分はゆっくり減衰しながら伝わりますが、空隙などでつながっていないところでは伝わることができずに境界面で大部分が反射します。
この性質は、スマホの指紋認証に置き換えて具体的に説明すると、下記のようになります。
スマホから発せられた超音波が認証エリアに置かれた指に到達する前に、空気があるとそこで音波が反射され、指の指紋情報をとらえることが出来ない。
もっと、具体的に言うならば、
スマホから発せられた超音波が指に到達する前に、スマホ保護用のガラスフィルムの気泡にぶつかってしまうと、超音波が指にたどり着く前に反射されるので、結果として指紋認証がされない、という事になります。
これは、弊社のガラスフィルムの中でも、エッジグルーフィルム(ガラス全面ではなく、周囲にのみ粘着剤が付いているタイプのフィルム)で、指紋認証用の丸いシールが付いている製品に起こりうる現象です。
例えば、弊社で販売しているガラスフィルムで、このタイプは下記のような機種になります。
(全ての機種を記載しているわけではございません)
Arrows 5G,
Galaxy S10, Note10+, Galaxy S20, S20 plus, Galaxy Note 20 Ultra, Galaxy S21シリーズ, Galaxy S22シリーズ
これらのガラスフィルムをお使いになられる場合には、特に指紋認証用のシールの貼り付け方が重要になってきます。
前述しているように、『気泡が入ると超音波が反射されてしまう』ためです。
弊社のこのフィルムに使用されている材料は下記のようになっています。
ガラス厚 : 0.23±0.02mm (一部製品は0.25±0.02mm)
超音波認証専用シール厚 :0.050±0.02mm
これらの組み合わせは、Qualcomm社により発表された第1世代および第2世代超音波式画面内指紋認証センサーの超音波を遮断せずに透過させることが確認されています。
したがって、スマホの内部から発せられた超音波は、スマホのディスプレイのガラスを透過し、保護用のガラスフィルムを透過すれば、認証エリアの指に到達し、反射されて指紋の凹凸の情報をセンサーを伝えることになります。
しかしながら、ここで思い出して頂きたいのが、先ほど記載しております、
音波は物質が連続している部分はゆっくり減衰しながら伝わりますが、空隙などでつながっていないところでは伝わることができずに境界面で大部分が反射します。
と、言う部分です。
スマホ内部から指に向かって進む超音波は、スマホディスプレイから外に向かったところで、そこにあるのは、弊社のガラスフィルムの指紋認証用の丸いシール部分です。このシールに到達する前に、気泡があった場合は、上記赤文章の 空隙などでつながっていないところでは伝わることができず、 指に到達することができなくなります。
ちなみに、超音波は、非常に薄い空隙(つながっていない領域)でも検出できる能力を持っています。(つまり、ごくわずかな空隙=物質がつながっていない部分があっても、超音波は反射されてしまうということです)
これまでの例では厚さ5nmの隙間も明確に検出できることが確認されています。
(1nm = 0.001 µm = 0.000001 mm)
つまり、肉眼で見えるレベルの気泡が残っていると指紋認証は出来ない、という事になります。
弊社では、このタイプのフィルムをお届けする際には、パッケージ内に下記のチラシでご注意を喚起させて戴いております。このチラシのQRコードを読み取って頂きますと、そのフィルムの指紋認証シールの貼り方を動画でご覧頂けるようになっています。
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認証が出来ない場合の具体例
まれに、「ちゃんとシールをきれいに貼り付けてあるが、指紋認証ができない」というご連絡を頂く場合がございます。
今までの例では、複数のトラブル原因が見つかっていますのでご紹介致します。
1)指紋認証の仕方
初めて指紋認証のスマホをお使いの方に多く見られるトラブルです。
指紋認証を使用する際は、まず指紋を登録することになります。登録の際、指を認証エリアに置き、多くの場合、スマホが読み取るまでその状態をキープします(当たり前のことですが、指を動かすと登録できません)。スマホがその部位の指紋を読み取ると、振動や光、メッセージ(機種により異なります)により、その指の他の部位を登録するように合図されますので、指の真ん中の登録が終われば、右側、上側などのようにスマホの指示に従って指の他の部位の情報を読み取らせます。
この登録には、スマホ機種によりかかる時間が異なりますが、一般的に「結構時間かかるね」という印象を持たれることが多いようです。
しかし、初心者の方は、もっと簡単に指紋認証ができると思い込んでおられる方がいらっしゃるようで、ちょっと指を触れてすぐに離してしまったりして、弊社へ「指紋認証ができない」とご連絡されてこられることがございました。
また、指紋を登録するときに、まんべんなく指を読み込ませる、、、という印象からか、指紋登録の際に、指をグリグリと拇印を押すときのように動かしてしまう方がおられるようです。これもまた、弊社へ「指紋認証ができない」とご連絡されてこられることがございましたが、いずれも弊社のフィルムには関係の無い問題となっております。
このように、指紋認証ができないとなぜかフィルムのせいと思われることが多いのですが、機種によりタッチの仕方で、認証が出来たりできなかったりする場合もあるようです。
2)指紋認証シールの貼り方
前述のように、指紋認証シールに気泡が入ると指紋認証が出来ないことをお伝え致しましたが、
「きちんとシールを貼ったのに、認証できない」とご連絡を頂く場合がございます。
お手数ではございますが、画像をお送り頂きますと、ご本人様は「きちんと貼れている」と思われているのですが、また、一見きれいに貼れているように見えるのですが、よく見ると全体に小さなムラが連続しており、目立たないだけで気泡が入っている場合がございます。
これは、「貼り付けを失敗」している例になり、正しい貼り方をして頂きますと、そのようにはなりません。再度、認証シール部分を動画のように貼り付けを行って頂くと解消される場合もございますが、一旦貼り付けてから時間が経過していると修正が出来ない場合もございます。
このような場合は、弊社の無料の365日交換保証システムをご利用頂いて、新品とお取替えのうえ今度は失敗しないように、動画のようにしっかりと貼り付けて下さい。
3)指紋認証が不可能な方
弊社のスタッフにも一人いるのですが、指紋認証に関してはどのようなタイプでも、すべて認証ができない人がいます。
この弊社スタッフは、指紋認証を使うものは、事務所のドア、自宅のロッカー、スマホ、などどのような場所で使われている指紋認証でも、あらゆるものを使うことができません。
一見普通の手をしているのですが、以前手荒れがひどく皮膚科へ15年も通っていたこともあり、指先の皮膚が固く乾燥しており、また、指紋が一般の人より浅くなっている為、指紋認証が出来なくなったものです。
また、スマホ機種によっては、非常に薄い0.25㎜以下のガラスフィルムを貼ることで、微妙な指紋の凹凸を読み込めなくなる現象が起きています。この場合、フィルムを貼らなければ認証ができますが、フィルムを貼ることで、そのスマホの超音波システムでは、指紋認証が不可能となる場合があるという事です。
あるいは、同じスマホ機種であるにもかかわらず、スマホ機能の個体差により繊細な指紋認証システムに不具合が起きる場合も見られています。(例: 同じ機種を2台持っていて、2台に弊社のガラスフィルムを貼った場合、1台は問題なく指紋認証がスムーズにできるが、もう1台は、指紋認証が出来なくなった。この場合、このお客様は2台のスマホを新品で同時に購入し、弊社のフィルムも新品を使った結果です。ちなみに、フィルムを取り換えても同じ結果になりました)
非常に多く発生する例が、スマホにフィルムを貼った状態で、Aさんは認証できるが、Bさんはできない、と言うケースです。このAさんに相当する(指紋認証ができる)人は、多くの場合、若い方、手の使用頻度が低い生活の方 であり、Bさんに相当する(指紋認証が出来ない)人は、40代以降の方、手の使用頻度が高い生活の方(家事、仕事で指先を多く使う作業をする等)であることが多くなります。
これは、指先の指紋の鮮明度が異なることにより、ごく薄いガラスフィルムを貼っても、超音波が不安定になり、μ㎜レベルの指紋凹凸の差違により、認証に不具合が起きると考えられます。
この現象は、特に超音波指紋認証に頻発するものです。
上記の内容から、フィルムの不具合ではなく、あくまで使用者の指紋の状態に依存する問題であることになります。
4) スマホの指紋登録と認証システムのソフト設定
ときどき、指紋の登録ができるが認証ができない、という現象が起きるとおっしゃるお客様がいらっしゃいます。これは、登録した指紋と照らし合わせて認証するソフトの設定が非常に厳しく設定してあることが1つの原因として想像されます。
現実問題として、スマホ側に登録された時の指紋の深さや線の幅と全く同一になるように、次に認証部分に指をあてることはほぼ不可能です。スマホの認証設定のソフトがそれらについて、非常に綿密に厳しく設定されている場合、全く同一じゃないと認証しない、という事になってしまいます。
超音波がガラスや粘着シートを通過する際に、ガラスや粘着シートがいかに高品質なOCAシートを採用していても、透過率の高い薄いガラスであっても、超音波が物体を通る以上、必ず超音波は減衰します。その分元の認証のものとごく僅か(μ㎜レベル)でも変化します。それにより認証ができない、という現象が起きてしまう可能性があります。時々、スマホの指紋認証ができない、というお客様からのお問い合わせが多くスマホメーカーに届くと、アップデートにより、この認証システムの設定を少し変えることで、認証ができるようになったりします。もともと、スマホメーカーは「ガラスフィルムを貼ること」を前提にスマホを作っていません。フィルムメーカーとしては、最低でも『一般的な機能能力のあるスマホと指紋に問題のない方』であれば、認証システムが使用できるようにフィルムを作ります。しかし、フィルムの貼り方(ディスプレイとの密着度)、特に認証部分の専用シールの貼り方で結果が大きく変化してしまいます。
また、スマホメーカー側の設定や、デバイス個体の機能差により、薄いガラス一枚を通すだけで認証が出来なくなる場合も有るようです。一般的に多くの皆様が問題なく使用できるフィルムに対して、ごく一部の方が使えない、という現象の場合、フィルムに問題があると考えることは一般的にはないでしょう。
5)その他
第17回 指紋認証とフィルムの回でご説明させて戴いているような理由があり、認証できないということは多々あるようでございます。
なお、Galaxy や au の公式サイトにも、指紋認証が出来ない場合の具体的な方法が記載されておりますので、ご確認頂けるかと思います。
///// 最後に /////
弊社のフィルムのパーツは申し上げましたように個々は各メーカーで超音波認証に対応するために研究・開発されたものであり、また、それを製品として仕上げております弊社でも、十分なテスト結果で超音波の透過に関して問題はございませんので、「指紋認証対応」としてフィルムを販売させて戴いております。
もちろん、多くの方々に、指紋認証に問題が無く、快適にお使い頂いておりますが、まれに上記のような理由によりトラブルが起きてしまう場合がございます。
超音波認証は高性能である分、繊細なシステムでございます。
物質内を超音波が透過するときに超音波が減衰し、スマホディスプレイのガラスを超音波が透過する際、使用されている超音波の種類も、ガラスを透過しやすいような波長・波形に整えられています。しかし、超音波が物質Aを透過し、次に物質Bを透過するという時点で、少なからず音波は減衰してしまいます。100%のエネルギーを保存したまま、変化しないということは物理的に不可能なことは周知の事実でございます。
弊社のフィルムもスマホの指紋認証には十分対応できるものとなっておりますが、万一、使用者の指の指紋の状態がギリギリ認証できるレベルの凹凸となっていたり、スマホの個体値の差により、超音波のレベルが低めであった場合、フィルムを貼ることで、指紋認証が使えなくなる可能性はゼロではございません。
しかしながら、メーカーとして、そこまで個々の事由による対応は現実的なレベルではない問題と存じます。もちろん、日々製品の研究開発を続け、より良い製品をお届けできるように研鑽を積んでまいりたいと努力しております。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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